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今から4年前、彼らは我家にやって来ました。彼らとは、長男13才、次男12才、三男11才、年子の三兄弟です。いずれもかなりのつわものたち。以前いた学園の先生方は、あまり詳しくおっしゃらなかったが、先生方の疲れた表情を見て、彼らが学園を引っかき回していたのは充分感じとれました。(もちろん彼らだけではありませんが・・・)彼らとの付き合いは、それより一二年程前からで、年に二回、ショートホームステイという形で、盆と正月をいっしょに過ごしておりました。その当時の彼らの印象は、とにかく”たくましい”の一言で、真っ黒な体でパワー全開に動き回る、エネルギーの塊のような生命力と躍動感を感じておりました。
彼ら三人が里子として我が家に来ることになり、私たちも含めて、彼らの回りにいる大人は誰もが、兄弟なのだから三人いっしょの方がいいだろうという考え方をしておりました。ところが、後から聞いたところによると、いつも膝の上に乗りに来ていた三男が、少々渋っていたということでした。理由は、自分は一番年下になるから、いじめられるということでした。三男にとっては、それは最大級の問題であったのですが、学園での子どもの世界がどういうものであったのか知らなかった私達大人にと

 

 

 

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